連立方程式の解の存在の仕方

この項で述べることも、完全に数学の基礎論的なことですが、GPS の基本原理を理解する上でどうしても必要なことなので、ご容赦下さい。

中学生の時に、例えば次のような連立方程式を学んだと思います。

2x + 3y = 10
5x - 2y = 2

解き方は覚えていますか。

x=26/19、y=46/19、と求まれば正解です。

もしこれが例えば、最初の「2x + 3y = 10」という条件しかなかった ら、xやyの値は、確定しません。

「x=26/19、y=46/19」も解の1つです が、「x=0、y=10/3」も解ですし、「x=5、y=0」も解です。

「x=2、y=2」 だって解です。

xとyという2つの未知数に対し、方程式(制約条件)が 1個しかなければ、通常解は確定しないのです。

では、条件が次のようになったらどうでしょう。

2x + 3y = 10
5x - 2y = 2
-3x + 7y = -1

上の2つを満たすのは、x=26/19、y=46/19しかなかったわけですが、 これは一番下の方程式を満たしません。

つまり、この3つの方程式を同 時に満たす解はないのです。

これは「x**2 = -1」(**2は二乗を表わす)を満たすxが実数の範囲では存在しない、という意味での「ない」という こととは、全然別の意味なのでご注意ください。

話を整理すると、どんな制約条件もないなら、xもyもどんな値も取り うると考えられます。

そこに「2x + 3y = 10」という条件が加わると、 さすがにxもyも何でもよい、とはいかなくなります(例えばx=1、y=1は 条件を満足しない)が、それでも「x=26/19、y=46/19」とか「x=2、y=2」 とか、解は無限にあります。

xとyの直交座標系の中でその無限にある解 を並べると、直線になります。

条件が2つになると解は一意に定まりました。そして条件が3つになると解は存在しなくなったのです。

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