GPSの基本は人工衛星からの距離

GPSというのは端末のある三次元空間の位置を計算してくれるものです。

三次元空間の位置がわからないということは、3つの未知数の値が不明ということです。

前節で述べたように、それを知るためには3つの方程式が立てられればよいわけです。

実際にはほかにも未知数があるのでそう単純でもないのですが、まずはその枠組みで話を進めます。

その方程式の基本になるのが、人工衛星と端末の間の距離です。

図1で述べたように、GPSのために24機の人工衛星が地球の周りを回っているのですが、そのうちの交信可能な1機から出た電磁波信号が、t秒遅れて端末に到達したとしましょう(その測定方法は図10~12で説明)。

そうなると、その人工衛星と端末の間の距離は、ctということになります(cは光速)。

個々の人工衛星がどの瞬間にどこにいるかはわかっており、常時公開されていますから、これにより空間のある点から、端末がどれだけ離れているかがわかるわけです。

ある点からある距離だけ離れている。

この一条件だけでは、場所は確定しません。

だけど、まったく自由ではなくなったのです。

図4で、一つの一次方程式を満たすx,yは無限にありそれを全部並べるとxy直交座標平面上の直線になる、といいました。

ある点からある距離だけ離れている、というのは一次方程式にはならないので、それを満たす点の集合は直線とか平面とかにはなりません。

では何になるのでしょう。

「ある点」を中心とし、「ある距離」を半径とする球面です。

一つの衛星からの距離が、端末の位置を一つの球面上に限定させるのです。

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