搬送波の位相を利用した干渉測位
前項で述べたように、GPSの基本となるL1波の波長は約19.0cmです。
つまり、衛星からの距離19cmごとに同じ位相が繰り返すことになります。
従って位相の情報だけを見ても、秒針しかない時計が通常の意味で役に立たないのと同じで、距離を知ることはできません。
ただ、他の方法で19cm以下の精度で距離がわかっている時には、その中で位相がどうずれているのかを知ることは、さらに測定精度を上げることにつながります。
また、定まった2点間の距離のわずかな変動を知る場合にも、いきなり数cmもずれることはありえないので、やはり位相情報による正確な精度測定が使われます。
この場合、GPSの観測結果をリアルタイムで分析する必要はありません。
スタティック測位という方法では、定まった2点に対して長時間のデータをとり、後で正確に(誤差は数mm程度)計算します。
キネマティック測位という方法では、各場所においてまずある程度時間をかけて波長の整数倍の不確定要因をなくし、それからデータを取っていくことで、数cm程度の誤差で位置を求めることができます。

