空間内の2つの球の関係
またまた数学(初等幾何学)の話です。
三次元空間内に2つの異なる球面があるとすると、そこにはどんな種類の位置関係が考えられるでしょう。
2つの球の半径をr1とr2、そして中心間の距離をdとしましょう。
まず、両者が全然接することなく離れている場合が考えられます。
これは r1 + r2 < d ということです(状態1)。
それではそこから、段々とdを小さくしていったとしましょう。
どこかで r1 + r2 = d となるはずです。
この時、2つの球面は一点で外接します(状態2)。
さらにdを小さくしていきます。
今度は2つの球面は交わります(状態3)。
r1とr2が等しいなら、d=0となる直前までその状態が続きます。
半径が等しくて中心まで一致してしまったら、これは「2つの異なる球面」ではないので、そこまでは考えないことにします。
r1とr2が等しくないなら、|r1 - r2|(差の絶対値)は0ではないある正の値をとります。
dがそれより大きい場合は、球面は交わり、状態3のままです。
しかしさらにdが小さくなり、|r1 - r2|と一致すると、2つの球面は今度は内接します(状態4)。
そして d <|r1 - r2|となると、小さいほうの球体は大きい方の球体に完全に内包されてしまい、球面同士は接しません(状態5)。
以上、5つの種類の位置関係を見ましたが、まず状態2と状態4は、d が厳密に特別な値(r1 + r2または|r1 - r2|)をとった時にのみ出現する、かなり特別な場合です。
わずかでも d が変化すると、すぐに隣の状態に移ってしまいます。
例えばr1 = r2 = 1万km、d = 2万kmだと状態2ですが、そこからdが0.01km小さくなっただけで、10km程度の広がりをもつ接点集合が出現します。
その意味で、測定誤差を考えると、状態2や状態4は事実上ありえない位置関係といっていいでしょう。

