正確な時刻がわからない端末でも可
図6で、端末の人工衛星からの距離を知るには信号の伝達遅れを測定し、それに光速をかけて算出すればよいと述べました。
しかしこれは、人工衛星にも端末にもきわめて正確な時計が搭載されていることを前提とした場合です。
正確な時刻設定は、10万年に1秒程度しか誤差のない原子時計を、頻繁に補正することで実現できます。
正確ではありますがきわめて高価で扱い方も難しい機器です。
実際に衛星には、セシウムやルビジウムを用いた原子時計が搭載されています。
しかし個々の端末には、とてもではありませんがそんなものは載せられません。
となると、端末には時刻の不明確さという不確定要因が加わることになります。
未知数といってもいでしょう。
知るべきことは三次元空間内の位置だけでなく、自分の時計の誤差もだったのです。
図5で、未知数が4つなら通常4つの方程式で解が確定すると述べました。
さあここで第四の衛星の登場です。
四つの衛星からの距離方程式(それぞれの中には時計誤差による不確定さも含まれる)により、三次元空間および時間という四つの未知数がわかってしまうのです。
なお、4つの衛星の中のある2つが、方向が極めて近いかまたはほぼ正反対の場合、算出精度が落ちてしまいます。
そういったことがないよう、いつでもほぼ最適な4機が選ばれるようになっています。

